記録本の概念を変えた記録本  牧 啓夫

野球雲 創刊号 2012 autumn『プロ野球全記録 2004年度版』
宇佐美徹也監修
実用之日本社/2004年

プロ野球全記録とは、実業之日本社から一九七八年から2004年まで出版された野球の記録本です。本稿でとりあげるのは、その最後の本です。
本書は、私の野球記録の師匠である宇佐美徹也さんが監修され、本来は子供向けの野球記録解説本ですが、野球の記録や歴史をわかりやすく解説しています。本書によって野球記録に興味をもった人も多いです。なお、2004年版は2004年に発行されたという意味で、解説されている記録は2003年のものです。
本書は、野球の記録本ですから、書評にはそぐわないかもしれませんが、我が師匠宇佐 美徹也さんへの思いをこめて書かせていただきます。
2012年はロンドンオリンピックでの日本選手団の活躍でもりあがりました。2004年もアテネオリンピックの年でした。本書にも特集記事があり、はじめてプロ中心のチ ームでのぞむオリンピックへの期待感が語られています。
そして、1924年の巨人軍結成から70年目の節目のシーズンとして記録更新への思 いもかたられます。特に、清原和博(当時ジャイアンツ)の通算記録については様々な視 点から解説されています。「投手別本塁打数」や「年齢別打撃最高記録」等は、いまでは そんなに珍しくはありませんが、本シリーズが定着させたといっても過言ではないでしょう。
宇佐美徹也の野球記録教室のテーマは、「守備率」です。守備の評価というのは、いまだに難しいものですが、いろいろ数字を興味深く解説されています。
単なる記録本なら一度読んでしまえば用済みでしょうが、本書は違います。 そのシーズンの出来事が数字を通してよみがえってきます。数多くの野球関係者が記録に たずさわるきっかけにもなった本書で、少し前の野球にふれてみてください。

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